ウェットスーツの解説・選び方
<生地の基本的なタイプ>
両面ジャージ
ゴム(保温性を高めるため中に無数の気泡が入っているスポンジ状のゴムで、ネオプレーンゴムといい、
伸縮性に富んでいますが、水は通しません。)の表裏両面にジャージが貼ってあります。
破れにくく耐久性があり、カラフルで、最も一般的。但し、ジャージが水分を含むため、保温性は劣ります。
片面ジャージ
表または裏のいずれか一方の面のみにジャージが貼ってあり、もう片方はゴムのまま(ゴムの面のことをスキンと呼びます)。
片面にジャージが貼ってあることにより、両面スキンのように簡単に裂けたりしない。
裏側をスキンにすると肌にぴったり密着し、水中で海水が入りにくく温いが、着用時パウダーが必要。
逆に、表側をスキンにすると、水から上ってから水切れがいいので温いが、引っかけ傷に注意。水中の
保温力は両面ジャージと同じ。
両面スキン
表も裏もスキンのまま。伸縮性に富むため動きやすく、保温性は一番高いのですが、裂けやすく
着脱には細心の注意と慣れが必要。一点に力を集中したり、爪を立てたりすると簡単に避けてしまいます。
ちょっと特殊ですが、2枚のネオプレンゴムの間にジャージを挟んだサンドスキンと呼ばれるものもあります。
耐久性は高まりますが、挟んだジャージが水を含みいつまでも乾かなかったり、最悪の場合中で塩が固まり
ジャージとスキンが剥離してしまうこともあるようのなので、切り口加工することが望ましいです。
<各素材> [ ]内のアルファベットは素材の略記号
ジャージの種類
- ナイロンジャージ[J](表裏)
最も一般的なスタンダードジャージや、ストレッチ性のあるPSジャージなど。
- オペロン(ライクラー)ジャージ[OP](表)
水着のような光沢のある生地で、カラーバリエーションも多く、ファッション性が高い。
- スーパーネッスル[NS](表裏)
極めて伸縮性が高く、上下左右いづれにも伸びる。肌触りがよく滑りのいいネッスルを使用することにより、
着脱がしやすく、圧迫感も少なく着心地がいい。
スキン面の種類
- フラット(ノーマル)スキン(表裏)
最も一般的なスキン地で、表面がツルツルテカテカしていて、湿っていると滑りにくい。
表面に滑性剤をコーティングし、スベリを良くしたブラックリペルスキン[BR]などもあります。
- メッシュスキン[JM](表)
表面に細かな網目加工が施してあり、ツルツル感、テカテカ感はありません。
フラットスキンに比べ破れや裂けに強く、撥水性にも優れるが、グリップ力が強く滑りは悪い。
- スライススキン(裏)
ネオプレーンゴムをスライスしたままの状態で、何の加工もしていないもの。ちょっとザラつきがあり、
肌への吸い付きがいいので保温力は高いが、フラットスキンより滑りが悪い。
表面を熱処理し、気泡をつぶして滑らかにしたのがフラットスキン。
裏面素材の種類
着脱の容易さや保温性を高めるため、ジャージ、スキン以外にもさまざまな素材が開発されています。
- 起毛
裏のスキン面に起毛素材を貼ったもの。起毛の1本1本が筒状の糸(中空糸)になっており、その中や起毛の
間に空気が含まれるので、保温性が高い。
ポリエステルの中空糸を使用した、超軽量・超速乾の起毛ジャージのエアーストレッチ[AS]、同じくポリエステルで
ディンプル構造にして肌との接触面を少なくしたエアーサークル[AC]、吸湿発熱起毛を使用し、水切れと
肌触りの良さを両立させ、保温効果も高いエアーフレイムなど。
- リペルサーモスキン[RS]
裏のスキン面に超微粒アルミニウム+滑性剤をコーティングしたもので、魔法瓶と同様の反射効果で体温を
スーツ内に留める効果がある。保温性を高め、スムーズな着脱が可能。但し、濡れていると引っかかりがある。
シルバーのツルツルした素材で、長期使用により表面加工がはがれてくることも・・・。
- ウォームセルメタルスキン[CM]
裏のスライススキン(セル)面にリペルサーモと同様のコーティングをし、モールドプレス加工
してハニカム状のハーフメタル層を作ったもの。表面に独立気泡体が形成されるため、暖かさ、丈夫さ、
着脱の良さを確保。
シルバーで凹凸のある素材。
- タックレス(ハイブリッドスキン[HS] )
裏のスキン面に25ミクロンの特殊ウレタンフィルムをハイブリッド加工で結合させたもの。こすれや裂けに
強く耐久性に優れたハイテク保温素材。
メッシュゴールドのサラッとした素材で、長期使用でもコーティング落ちがない。
- スーパーコンポジットスキン[SCS]
裏のスキン面に水分子を集めるミクロ単位の半球状のくぼみを作ったもので、空気中では水をはじき、
水中では流水抵抗を極端に減らすハイテク素材。
北京オリンピックの競泳で、スピード社の水着「レーザーレーサー」に対抗すべく名乗りを上げた
大阪の山本化学工業
が開発したラバー素材の水着にもこれが使われています。
表面はとても滑らかで滑りがよく、着脱がスムーズ。熱伝導率が低いので、保温性にも優れている。
<スタイル>
ワンピース
長袖、長ズボンの、いわゆる「つなぎ」型のウェットスーツ。「フルスーツ」とも呼ばれ、最も一般的。
シーガル
ワンピースの半袖タイプ。
ツーピース
ロングジョンと呼ばれるノースリーブ、長ズボンの「つなぎ」と、ジャケットを組み合わせたもの。
ロングジョンの替わりにシーガルとの組み合わせもあります。また、ジャケットの丈は、短い方から
「ハイウェスト」「ウェスト」「腰骨」等があり、長いほど保温性が高くなります。
<生地(ネオプレーンゴム)の厚さ>
3mm
真夏の水温の高いとき、または南の島用。
5mm
国内では一番ポピュラーで、使用できるシーズンも長い。フードベストなどと併用すれば
近場の海でも5~6ヶ月は活躍の場があります。
6.5mm
通称「ロクハン」と呼ばれ、冬~春用で、ほとんどが両面スキンタイプ。ロングジョンとフード付
ジャケットのツーピースの組合せが一般的。
保温性はドライスーツに匹敵するという人もいるくらいですが、ウェイトはかなり必要となります。
<ウェットスーツ選びのポイント>
自分のダイビングスタイルに合ったスーツ
南の島のリゾートだけで潜るのか、国内の近場ポイントメインで潜るのか、真冬も潜るのか。自分が
どのようなシチュエーションで潜るのか考え、それぞれのシーンに合ったスーツを選択することが重要です。
やり始めたばかりでよく分からない場合は、とりあえずの1着として5mmのワンピースがお薦めです。
後からフードベストなどを買い足すことにより、かなりのシーズン使えます。
体にフィットしたスーツ
ガバガバのウェットスーツでは水の出入りが多く、保温性は極端に落ちます。逆にきつすぎるスーツでは
体が締め付けられ、ひどい場合は気分が悪くなります。
体全体に過不足なくフィットすることが重要です。フルオーダーならまず問題ないでしょうが、既製品を
選ぶ場合は必ず試着して選んでください。
フィット感が命と言ってもいいウェットスーツなので、多少安くても試着のできない通販はお薦めしません。
汚れた場合のことを考えて
特に女性の場合、カタログなどに載っている白やピンク、淡いパステルカラーなどのきれいなウェットスーツ
に目がいきますが、ダイビングを続けていると岩や海草、土、器材などに擦れたりして必ず汚れてきます。
汚れが目立たない濃い目の色をメインにした方が、後悔しなくて済むでしょう。
<管理人のお薦め>
表スキン裏起毛の5mmワンピース
表がスキンなので海から上がってからの水切れがよく、すぐ乾くので保温性が高いです。
また、裏起毛は、普通に考えると水分を多く含むので寒いように感じますが、これがなかなかのスグレモノ。
実は細かい起毛の間や、中空糸と呼ばれるマカロニのように穴のあいた筒状の糸の中に空気が入ること
により保温力が高く、水中でも上がってからでも結構温かいのです。
また、最近の起毛素材は速乾性の繊維を使用しているので、脱いで吊り下げておくと、ちょっとの時間でも
ほぼ乾いた状態になります。(裏返して干しておくとまるで着ぐるみのようで、ちょっと愛嬌もあり。)
表面のスキン地も、いかにも上級者の雰囲気を漂わせカッコイイです。
これと、フードベストを組み合わせればかなり長いシーズンに対応可能で、20゜以下の水温でも
潜れます。(人にもよりますが・・・)
欠点は、脱ぎにくいこと。スキン面同士が接触すると滑りにくく、特に腕を抜くのに苦労します。
スキン面に滑性剤をコーティングし滑りを良くした「リペルスキン」ならスムーズですが、長年の使用に
より表面加工がはがれてくることもあるようです。
また、メーカーによっては肘や膝の先だけ別の素材にし、脱ぎやすくしているものもあります。
ちょっと邪道ですが手首だけファスナーを付けるという手も・・・。これだけで脱ぎにくさはかなり
改善されると思います。
暖かさをとるか、脱ぎやすさをとるか、迷うところですが、管理人は、保温性が高くプロっぽい雰囲気が
かっこいい「表スキン裏起毛」がイチオシです。
表スキンはちょっと・・・、という方には、表ジャージ裏起毛もお薦め。
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