デジカメ選びのポイント
水中写真を撮るためのデジカメに欲しい機能とは、・・・
広角側に強いズームレンズ
水中では屈折率の関係で陸上より物が大きく見えますが、これはカメラの側から見ると写せる範囲(レンズで捉えられる
角度のことで、画角といいます)が狭くなることを意味します。
また、浮遊物の多い水中では、クリアな写真を撮るためにできるだけ被写体に寄ることが必要なため、一層写せる範囲が狭まります。
それをカバーするため、できるだけワイド側に広い(ワイド側の焦点距離が短い)ズームレンズがぜひ欲しいところです。
ワイド側は少なくとも35mm版換算で28mm程度の焦点距離のズームレンズが望ましいでしょう。
なお、レンズの焦点距離については、後の<焦点距離とは>で解説しています。
手ブレ補正機能
「手ブレ補正」機能の効果は絶大で、陸上に比べて暗く、不安定な姿勢で撮影することが多い水中撮影では、ぜひ欲しい
機能ですが、最近の機種はほとんどがこの機能を装備しています。
但し、この機能にも自ずから限界はありますので、脇をしっかりと締め、カメラを確実にホールドして、慎重にシャッターを
切ることは必要です。
大きな液晶モニター
暗い水中では、撮影情報などがはっきり確認できる大きな液晶画面があると、うれしいです。
小さな液晶画面では、モード切替やフレーミング、ピント合致の状態などが見にくく、疲れます。2.5型以上の
液晶モニターが欲しいところです。
水中モード
水中では物の色が青みがかってしまいます(青カブリ)。
デジカメには被写体や撮影環境に合わせてカメラを最適な設定にするシーンモードが搭載されていますが、この中に
「水中モード」があれば、「青カブリ」を補正し内蔵フラッシュだけでも本来に近い色が再現できて、鮮やかな
写真が撮れます。
高精度のオートフォーカス
砂地のハゼや、岩に擬態したオコゼなど、背景に溶け込んだ魚は、フォーカスが合いにくく、イライラするもの。
そんな場面でも一発でフォーカスが合うカメラなら、ストレス知らずで撮影も楽チン。
店頭で、よく似た模様の景色や服などにフォーカスを合わせるなどして、チェックしてみてください。
専用のハウジング(防水ケース)が用意されていること
当然ですね。これがないと、水中撮影できません。なお、耐圧水深は40m以上が望ましいです。
<焦点距離とは>
レンズの焦点距離は、短いほど写る範囲(画角といいます)は広くなり、逆に焦点距離が長くなれば画角は狭くなります。
但し、同じ焦点距離の2台のカメラでも、カメラ(レンズ)本体の大きさによって画角は違ってきます(本体が大きくなれば
焦点距離も長くなる)。
しかし、これでは焦点距離だけでどれほどの画角なのか判断ができないため、35mm幅のフィルムを使用するカメラ
(最も一般的なフィルムカメラ)のレンズの焦点距離を基準に換算するのが一般的です。
これが、いわゆる「35mm版換算」した焦点距離と呼ばれるものです。
35mmフィルムカメラの場合、人の視覚にもっとも近いレンズの焦点距離が50mm~55mmのため、これを
標準レンズと呼びます。
そして、これより焦点距離の短いレンズを広角レンズといい、数字が小さくなるほど画角が広くなります。
逆に、これより焦点距離の長いレンズを望遠レンズといいます。
35mm版換算の焦点距離別の画角と効果は、以下の通りです。
| |
焦点距離 |
画角 (対角線) |
効果 |
広 角 レ ン ズ |
20mm |
94゜ |
広角効果が強く、用途は限られる |
| 24mm |
84゜ |
かなり広角効果が強い |
| 28mm |
74゜ |
本格的な広角の効果が実感できる |
| 35mm |
62゜ |
ちょっと広角気味 |
標 準 |
50mm~ 55mm |
46゜~ 43゜ |
人間の視覚に一番近く、自然な描写 |
望 遠 レ ン ズ |
105mm |
約23゜ |
ちょっと望遠。人物のアップなどに便利 |
| 135mm |
18゜ |
望遠の効果が実感できる |
| 200mm |
約12゜ |
かなり望遠効果が強い。手持ち撮影の限界 |
| 300mm以上 |
8゜ |
ごく狭い範囲を切り取ることができる。三脚必須 |
これにデジカメを当てはめた場合、35mm版換算の焦点距離が35mm~105mmのズームレンズでは、
「ちょっと広角ぎみ」から「ちょっと望遠」の範囲をカバーしていることになります。
ただし、水中では屈折率の関係から物が大きく見え、このため焦点距離は上の表で約1段階ほど望遠側にシフトしますので、
「標準」~「望遠の効果が実感できる」範囲となり、広角効果は期待できません。
このため、広い角度を写したいことも多い水中写真の世界では、不足です。
せめてワイド側が35mm版換算で28mm程度の焦点距離を持ったズームレンズが望ましいでしょう。
<ズーム倍率とは>
ズーム倍率とは、最も望遠側(テレ端)の焦点距離を、最も広角側(ワイド端)の焦点距離で割った値で、
焦点距離35mm~105mmのズームレンズでは105/35=3倍のズーム倍率となります。
陸上に比べて暗く、ストロボの光も届きにくく、かつ不安定な姿勢で写すことが多い水中撮影では、150mm以上の
望遠はほとんど使えないと思います(使っても満足な結果は得られないでしょう)。
従って、水中ではズーム倍率は5倍程度あれば十分で、それ以上の倍率はほとんど使い道がないでしょう。
ただし、陸上でも使う場合は、高倍率ズームレンズもそれなりに便利なので、あなたの使い方に合わせて選んでください。
ただ、高倍率になるほどレンズ長が長くなり、それだけかさばります。
<ズームの方式について>
ズームの方式には、以下の種類があります。
- 光学ズーム
レンズを機械的に動かして焦点距離を変更することにより、ズームアップを行う
- 擬似ズーム機能
ファインズーム、EX光学ズーム等、メーカーによって呼び名は異なる。
最大記録画素数未満のサイズで撮影する場合、一旦最大画素数で撮影したものから、実際の記録画素数に相当する部分を
切り出すことでズームアップ効果を出す
- デジタルズーム
画像の中心部を切り出し、記録画素数相当までデジタル的に拡大してズームアップ効果を出す(言わば、撮影時に
カメラ内部でトリミングを行うようなもの)
1番目と2番目の方式は、画像の拡大処理等は行っていないので画質は落ちませんが、3番目のデジタルズームは、
撮影時の画像の一部を切り取り、拡大・補完処理をして記録するのでズーム倍率を上げるほど、画質が落ちます。
デジタルズームは使用しないのが、基本です。